TAP -イーガン (2)

ちまちま読み進め中。

銀炎。最後の1ページと手前1ページの最後一行のためにあるような短編。「銀炎」という現象に対する解釈の違いといってしまえばそれまでか。

TAP。表題作の中編。TAPというガジェットをベースに捜査ものが展開されていき、エンディングが実に興味深い。TAPインプラントが導く未来という単語が脳裏に浮かぶね。TAPインプラントがどういうものが想像してみると、脳状態のスナップショットをデジタル化しTAP単語とするユニット + TAP単語を解釈するユニット + 情動制御ユニット = TAPインプラントという理解でいいんだろうかね。

ユージーン。科学的バックグラウンドなしでも成立するストーリーなのに、科学的バックグラウンドがあることでボリュームと説得力が増えてる。死を超えた究極の存在が選ぶ状態とでも言おうかね。

視覚。最後の2行と60ページの後ろから3,4行目の印象深さが実にすばらしい。体外離脱の視覚なら初代バイオハザードのように外部からの視覚になる。そのキャラクターが自分自身ということか。それを想像してから、ラストの二行を思うと、キャラクター同士が並列、ということか。

他にも面白い短編はあるのだが、さしあたって印象の強いものをピックアップしてみた。いい短編&中編集で、SFな人ならオススメ。